気管支ぜん息について
公開日 2019-08-30
呼吸が苦しくなる気管支喘息
ご本人もご家族もお辛いことと思います
健康な人と同じ生活を送るための、ポイントをまとめました
なぜ治療をするのか
健康な人と変わらない日常生活を送るためです
多くの成人ぜん息はコントロールできる時代となっています
急な発作(悪化)を防いだり、リモデリング*を予防するのも大きな目標です
リモデリングとは発作を繰り返すことにより、気道が狭いままになること
どのような病気か
気道の慢性的な炎症と 変動性(発作がある時とない時がある)の気道狭窄(ゼーゼー言うこと)や咳を特徴とする病気です
医師のサポートを受けながら自分でコントロールしていくものです
ぜん息の検査
- アレルギー検査
- ダニやカビ、ペットの毛など避けるべきものを血液検査で調べます(特異的IgE検査)
- 気道の狭さの検査
- 気道を広げる薬を吸入した前後で空気を吐き出す力をチェックします (肺機能検査、ピークフロー)
- 気道の炎症の検査
- アレルギーを引き起こす好酸球が痰にたくさんあるか観察します(喀痰検査)
- アレルギーによる炎症で気道から作られるNO(一酸化窒素)の呼気中濃度を測定します(FeNO)
- 気道の敏感さの検査
- 気道を狭める薬を薄い量から徐々に濃くしていき、気道が狭くなる濃度を調べます
ぜん息の治療
- 発作の治療薬と長期管理薬があります
- 発作治療薬 発作の時に気道を広げて呼吸を楽にする薬です
ぜん息を良くする薬ではありません - 長期管理薬 吸入ステロイドによる治療が基本です
炎症が起きている気道にしっかり薬を届けるため、吸入の手技を定期的にチェックしましょう
状態に応じて気道を広げる薬やアレルギーの薬、重症の時は生物学的製剤を使います
症状がないときも続けることが大切です
発作の予防
- アレルギーのもとを避ける
アレルギー検査を参考にして環境を整えましょう - 自分のぜん息コントロール状態を評価する
毎日ピークフローを測定しぜん息・ピークフロー日誌に記録、小さな変化を見つけたら早めに対応しましょう
ぜん息コントロールテスト(ACQ)で重症度をチェック - 呼吸器感染に気をつける
- 無理な運動は控える
- タバコを避ける(受動喫煙も)
- 低気圧が近づくときやPM2.5が高い時は無理をしない
- 食品添加物を避ける
- 薬に気をつける
緑内障や高血圧、心臓病の治療で使うβブロッカーは気道を狭くします
痛み止めで発作が起こるぜん息があります(アスピリン喘息) - 肥満を改善する
- アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎の治療をする
- ストレスを避ける
お役立ちサイト
独立行政法人 環境再生保全機構
ぜん息治療のガイドブックなど患者さん向けパンフレットを無料配布。PDF版もあります。吸入法動画へのリンクあり。
参考:アレルギー総合ガイドライン 2016